著者(Authors) 著書(Title)
人間とは何か- 過去・現在・未来の省察
Der Mensch In Seiner Geshichte
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4)Carl Friedrich von Weizseacker 筆者は理論物理学者であり、ナチス時代のドイツ人であり、学者としての立場から形而上学的哲学を踏まえて人間を論じている。長大な編集であり、やや冗長の感があるが、人間の本質をとらえようとしている。宗教にも触れながら、キリスト教の立場が主であり、仏教についてはわずか数行に集約されている。各章の表題を掲げる。

第1章 人間は何者なのか
第2章 自然の歴史
第3章 人間はどこから来たのか
第4章 時間・物理学・近代形而上学
第5章 現代学問論
第6章 哲学の素描
第7章 宗教の道程
終章  人間はどこへ行くのか 
アレキシス・カーレルが、1920年代にノーベル賞を受賞した頃、本書の著者
カール・フリードリッヒ バィツゼッカーはまだ中学生の頃であった。遺伝子学の発達する以前であった。

そのため、理論物理学の分野ではナチスの急進的な思想の影響を受けていたハイゼンベルグの指導を受けていた筆者は、戦争に対する嫌悪感を持っていた。しかし政治と科学の世界はともに相入れなくても、生活での影響を受けざるを得なかったであろう。

最近の遺伝子学の発展を知らない段階のために、人間とは何かを追求しながらも、どうしても観念的な発想にならざるを得なかった。第1章のはじめの方でも、そのことが読み取れる。たとえば、18ページにコンラッド・ローレンツというヒトの説を引用して、「人間は生得的想像力を所有している存在だ。それは、空間が三局面に分かたれたかたちで存在している。人間の祖先、すなわちサルなのだが、彼らはこうした表象能力を所有することなしには、木々の間をとびまわることなど到底不可能であったにちがいない」という表現をこうていしている。

彼自身、人間の祖先はサルと信じているのだろう。遺伝子学が進むにつれて、ダーウィンの進化論が正しいことが証明されつつあるが、人間とサルの祖先の何者かが近いDNAをもっているのであって、サルが人間に変わったわけではないのである。   5authorsへ戻る
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