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宇宙の始まり <ビッグバン>contents.htmlへのリンク目次へ ttplanningへ戻る

 宇宙の成立に関する仮説である「Big Bang」理論は宇宙の最初期状態、とても高い密度と温度の状態にあったとする。その状態から膨張(一種の爆発)が始まった。それは約137億年前のことである。
ビッグバン理論は観測と理論の両方から説明(証明?)されている。1927年にベルギーのジョルジュ・ルメートルは一般相対論のフリードマン・ロバートソン・ウォーカー計量に従う方程式を独自に導きだし、渦巻銀河が後退しているという観測結果から、宇宙は原始的原子(primeval atom)の爆発から始まったというモデルを提唱した、これがビッグバンである。

 1929年、エドウィン・ハッブルがルメートルの理論に対する観測的な基礎付け、地球に対して銀河があらゆる方向に遠ざかっており、その速度は地球から銀河までの距離に比例していることを発見した。これはハッブルの法則と言われる。ハッブルの法則は我々の宇宙が膨張していることを示している。

 これに対してフレッド・ホイルの定常モデルがある。これは銀河が互いに遠ざかるに従って新しい物質が生まれ、これにより宇宙の物質密度が一定に保たれるとする。両理論は賛否両論、二つに分かれていたが、1965年に宇宙マイクロ波背景放射の発見以降、ビッグバン理論が宇宙の起源と進化を説明するもっとも確かな理論となっている。初期宇宙は考えられないほど高エネルギー密度で高い温度、高い圧力で一様に満たされていた。その後宇宙は膨張して冷却し、相転移を引き起こした。この相転移は素粒子に関連した過程である。最初の10のマイナス35常秒後、相転移によってインフレーションと呼ばれる宇宙の指数関数的膨張が引き起こされた。

 インフレーションが終了した後、宇宙の物質要素はクオーク・グルオンプラズマという状態であった。宇宙の大きさが大きくなるにつれて、温度は下がり続け、ある温度に達した時、クオークとグル-オンが結合して陽子や中性子というバリオンが作られた。ここで物質と反物質との間の非対称性が生まれた。この結果、今の物質世界が存在することになったのであるが、学者の細かい理論と実験による検証があって我々はそれを認識することができるわけである。

 「人間とは何か」を著した5人の著者紹介に挙げたフランシス S.コリンズが述べているように、気の遠くなるような低い確率の中で生まれた宇宙と地球に我々は住んでいる。さらに進んで、次に示す生物の遺伝子(DNA)は誰が設計したのか?このことに関心を一切持たず、神や仏の存在、宗教を頭から否定する人は全くおかしいのである。
 
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遺伝子と生命
<DNAとmRNAの働き>

生物は長い進化の過程で、外敵の攻撃や侵入を防ぎ、抵抗力を増しながら生存してきた。その能力は遺伝子によって子孫へ受け継がれている。ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックがDNA(デオキシリボ核酸)の二重ラセン構造を発見したのは1953年のことであった。

生命は地球が形成されるときに集まって出来た元素(103)が何らかの理由で、環境に適応しながらはじめには無機化合物が、それから有機化合物が出来,生物へと進化していったのが始まりである。最初の生物はバクテリアのような単細胞であった。しかし単細胞であっても、この中にはすでにDNAという遺伝を担う化学物質が含まれていたのである。DNAの二重らせん構造の発見によって、われわれ人類も、その本質は化学物質にすぎないことを思い知らされた。現在生きているすべての生物は、最初に誕生した生命体の子孫であることを、理解しなければならない。

生物はすべて細胞から出来ている。最初の原核生物は細胞膜の中に核を持たない単純な構造であった。地球の環境が変化するにつれて、原始真核生物から真核生物へと進化し、細胞膜の中に核とミトコンドリアが取り込まれていった(参考資料1。ミトコンドリアは動物、植物とも共通に持つ構造で、動物の場合は肺で吸収された酸素が血流を通して各組織に運ばれ、ミトコンドリアにたどり着き、そこでブドウ糖その他のエネルギー源から取り除かれた水素と結びついて水になる。こうして細胞内にエネルギーを供給する重要な役割を持っている。さらに葉録体を細胞内に取り込んで、太陽エネルギーを直接吸収して成長するようになったのが植物性細胞である。動物性細胞はさらに環境に応じた進化を続け、生物体が種々の機能を持つように進化していった。(図表1.

figure2図表1.

  このように生物はすべて、環境の変化に応じて多細胞となり、次第に複雑な構造を持ち、環境に対応できるように進化していったが、どのようにして進化が起こるのかはDNAの構造が解明されるまで、明らかではなかったのである

 DNAの二重ラセン構造解明は1953年ではあるが、その構造は生物が発生した数億年前から存在していたのであるからまさに神秘的と言わざるを得ない。700万年から400万年前に現れた我々、人間の身体の構造はほとんど変わっていないはずであるから、DNAの役割、作用もその当時から存在していたはずである。

 生物は長い進化の過程で、外敵からの攻撃や侵入を防ぎ、生きながらえてきた。植物や微生物は昆虫や動物に食べられないように、毒を生成したり、構造を変化させるなどその智慧は驚くほど発達している。人間はその智慧を勝手に利用しているのである。薬草などの化学成分を分析して、量産化したものが薬である。

 薬には病の原因を取り除くものもあれば、逆に毒となるものもある。これに対し、チトクロームP450というタンパク質がある。これは肝臓で薬物を代謝する酵素である。解毒作用がある。この酵素の働きが強い人、弱い人といろいろあり、薬の効き方が異なるわけである。同じ薬でも人によって、効いたり、効かなかったりするのはこのためである。

 微量の血液から遺伝子配列を簡単に調べることができる。毛髪や唾液でも調べることができる。遺伝子配列は、チミン(T), シトシン(C), アデニン(A), グアニン(G), の四種類の塩基、デオキシリボースと呼ばれる糖、及びリン酸から構成されるDNAが数百から数千並んだものである。

 この遺伝子配列を読むことにより、薬の効き具合・代謝能力を推測することができる。人間の体の中に入った薬その他は、身体を構成する内臓その他、タンパク質に対して化学反応をする。化学反応を触媒する酵素のほとんどもタンパク質である。いろいろな酵素の働きがなければ人間の体はほとんど機能しない。

ヒトアディポネクチンという遺伝子apM1を持つタンパク質、アディポネクチンが10数年前に発見された。これは人間の内臓脂肪の周りにあって、脂肪の増大を防ぐ役割をすることが分かった。肥満になりたくなかったら、このアディポネクチンを増やせばいいのだが、何を食べればよいかわからなかった。佐賀大学、農学部では長年にわたって食材、(魚、木の子、肉)などの成分を抽出し、肥満したラットによる実験からアディポネクチンを増大させる成分を明らかにしつつある。
人間によってはその成分を取り入れても、やせない人もいるだろう。それは先祖から引き継いだDNAが強いか、取り入れた肥満予防の成分によるmRNA(遺伝の情報を運ぶ)が強いかの違いであろう。我々は日常においていろいろな食物を取り入れているが、その中の成分はそれぞれに遺伝子の働きによって、身体の臓器や構造物の細胞の形成に役立っているわけである。

 このような仕組みは、一体だれが設計して、誰が実現したのであろうか? 宇宙の起源から始まって、極めて確立の低い組み合わせによって、鉱物、動物、植物の構造・機能をつくり、人間が幸福に生活するための世界の秩序を創りあげている。物理学では、すべての化合物や物質を安定に創りだす基本が何であるかを追求している。物質はすべて、エネルギーが安定になる基底状態から始まっていることを教える。しかし生物のような複雑な構成物が、ここまで綿密に創られている状態を、神以外の誰が設計出来ようか?

参考資料1   黒岩常祥 ミトコンドリアはどこからきたか---生命40億年を遡る
               NHK Books 887 2003年2月10日 第5刷発行

宗教の意味 <ユダヤ教・キリスト教・イスラム教>

 何故、三つの宗教を並べたか? それはいずれも、4,000年位前にイスラエルの山中で発見された、旧約聖書が経典の出発点となっているからである。旧約聖書の創世記第1章に「はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水の面をおおっていた。神は「光あれ」と言われた。すると光があった。神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみを分けられた。-------とある。

 これはまさに、「ビッグバン」で述べた宇宙の始まり、太陽系の形成、地球の誕生を知りえた、神の発想ではないだろうか。たとえ、旧約聖書が、神からの予言を聞き伝え、西暦起元後に編集されたものとはいえ、その内容は神が著者であり編集者であると言わなければならない。当時は全く科学技術の発達する以前であった。

 仏教はキリストより早く紀元前600年頃、インドでお釈迦様(釈尊)が出家し、厳しい修行の末、悟りを開かれた仏教の基礎、諸行無常、諸法無我から如来常住、一切衆生悉有仏性、常楽我浄など、人間が歩むべき「利他行」を説かれた。仏説摩訶般若波羅密多心経を始め、お経の中にはまさに、「ビッグバン」や「遺伝子の働き」を知り得て主張されているとしか思えない内容が多く含まれている。

 このように世界4大宗教は、宇宙の根源から地上に住んでいる我々の、ほんとの目的を指示しているのだが、多くの人々は、日常生活に追われ、さもなくばもろもろの欲望を満たさんがためだけに生きているのではないだろうか?

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